大相撲のテレビ中継をいつも楽しみに見ています。奇数月の十五日間にわたる取り組みの中で、私が見るのは五時頃から六時までの六十分ほどですが、力士たちの熱い戦いに力が入ります。
去年、白鵬関と鶴竜関が引退したことによって、照ノ富士が「ひとり横綱」となりましたが、まじめに横綱の責任を果たしている照ノ富士を密かに応援しています。ご存じのように照ノ富士は、先の大関時代の取り組みで怪我をし、一度は序二段まで陥落しました。しかし怪我と戦いながらも努力を重ね番付を這い上がり、ついに横綱まで上り詰めました。両膝のサポーターに痛々しさを感じながらも、土俵入りと取り組みができていることに安堵しています。それにしても彼のように番付を上下した力士は今までもいなかったように聞いています。上下関係の厳しい相撲界で、番付の上位から下位に陥落した時の悔しさと厳しさに耐えた精神力に驚かされます。まさに逆転人生を絵に描いたような相撲人生ということができます。
逆転人生と言えば、聖書にも同じような経験をした人物がいます。旧約聖書「ヨブ記」の主人公、ヨブという男です。彼は神を信じ、潔白に生きていた人であり、さらに十人の子どもと多くの財産を持つ富豪でもありました。ところが突然の災害や敵の襲撃にあい、子どもと財産を失ってしまいました。さらに自分自身も悪性の腫物におかされて、これ以上にないほどの苦しい経験をすることになりました。
しかし彼はその苦しみの中から、自らの思い上がりを知らされ、改めて神を見上げることを学びました。すべてを失ってただ神に頼るほかなかったのです。人生のどん底で神への信仰に目が開かれたのです。そのときから彼の人生が神の祝福に満たされました。苦しみにあう前と同じ数の子どもが与えられ、また財産は以前に増して与えられました。彼が味わった痛みと苦しみの経験は、本人にしか分かりません。しかしその経験を通して、ヨブはもう一度神に立ち返ることができたのです。そこに彼の逆転人生の秘訣がありました。このように多くの人が神を見い出すことで、新たな希望と前進する力と意欲が与えられました。あなたも新しい人生を期待して、聖書を読んでみませんか。