映画「東京2020オリンピック」(サイドA)を観て   黒田 朔  

2020オリンピックが終わって既に1年が過ぎた。最近、その大会経費の最終報告が出されたり、映画が完成、上映されたりで再び話題を呼んでいる。前の東京オリンピックは1970年、結婚の翌年で、オリンピックに合わせてテレビを買ったことなどを思い出す程度で特別な記憶も影響を受けたわけでもない。この度の東京2020オリンピックでも、思いがけない会長辞任を始め、コロナのために1年間延期と無観客開催という忘れられない記録を残してはいるが、あれ程熱中したメダル獲得競走も今では日本の獲得メダル数さえ思い出さない。映画が河瀨直美監督によって創られると聞き、夫婦で観に行く。東京2020オリンピックという記録映画ではあるが、スポーツ記録ではなく、オリンピックという舞台だから演じられた国家事情、育児をしながらオリンピック参加を夫婦で果たした選手、赤ちゃんをあやしながら観戦する日本選手、作戦にあらわされる文化、国家、人、文化、生き方などを鋭く、深く、静かに見せてくれる映画でした。オリンピックではなくても、私たちの人生の生き方にもいろいろな違いがあり、良く考え、今の自分にできる最高の生き方を自分のものとしたいものだと思いました。ただ、オリンピックそのものも無観客でしたが、土曜日の最終回に入ったのは私たち夫婦だけという無観客で、惜しいと思いました。

 

 

 

 

2022年06月28日