安心して眠るために 辻 喜男

「安心して眠るために」  2022/7/31
 
 夕方に放送されている民放のニュース番組で、きょう誕生したばかりの赤ちゃんが紹介されます。目はまだ開いていませんが、お母さんの胸に抱かれて安心して眠っているかわいらしい様子に、思わず見入ってしまいます。また赤ちゃんの周りにいる大人たちも、みんな笑顔に満たされています。事件、事故、災害などの二ユースが多いなか、毎日どこかで小さな家族が、喜びの笑顔に満たされていることに心がなごみます。
 何もできない赤ちゃんが、母親に抱かれ、安心して眠っている姿を見ながら、私たちもこのように日々安心して過ごし、眠ることができれば、どれほど幸せなことでしょう。私たちは朝から夜まで、パンを得るために額に汗して働いています。しかしそんな生活で、ときに疲れを覚え、ときに焦りやむなしさに襲われることがあります。そんなとき何かで誤魔化しながら、生きている以上仕方がない、とあきらめていることはないでしょうか。ドラッグストアーでは栄養ドリンクやサプリメント、また睡眠導入剤が数多く販売されていますが、それらは一時的に効果はあっても、本当の意味で安心、安全を与えることはできません。
 私たちが本当に安心、安全な生活と眠りを得るためには、生まれたばかりの赤ちゃんが安心しきって、お母さんの胸に抱かれている姿を思い起こす必要があります。そのような様子を聖書も次のように語っています。「実に、主(神)は愛する者に眠りを与えてくださいます。」(旧約聖書・詩篇より)。たとえ日々の生活に疲れを覚えることがあっても、心から信頼することのできる方(神)を持つことができれば、からだは疲れてもたましいの平安、安心を得ることができます。神を愛するとは、神に信頼してゆだねることでもあります。そうすれば母親に抱かれた赤ちゃんのように安心のうちに眠り、日々を送ることができます。人生で信頼できる方(神)をもつこと、それがその人の眠りと生活をを決定することになります。「私」を愛し、守ってくださるお方がおられることを知り、認めるなら、日々の生活も安心して過ごすことができます、と古代の詩人が現代の私たちに語りかけています。

2022年08月08日